精神分析 Early Bion-精神病部分と非精神病部分
第4回 ビオンの精神分析 前期 その2
ビオンは精神病、特に統合失調症のこころがどのようになっているかをを探求した。
人のこころの中には精神病的な部分と非精神病的な部分があると考えた。
それはどのような人のこころの中にもあると考えた。
そして、精神病的部分がパーソナリティー全体を覆い、圧倒的になると、
人は急性の精神病状態に陥る。
そしてその状況は一時過程が優勢で、快か苦痛かの原則で動いている。
一方非精神病部分は二次過程が機能しており、現実原則で動いている。
ある程度の健康さを持っている人、神経症水準の人はこの非精神病部分が体勢を占めていると考えた。
ビオンはCogitation(1959)の中で次のように述べている。
夢とは心的な尿や糞の塊であるが、
非精神病部分が働いたとき、思考となる。
考えるという二次過程によって、思考が生まれるということである。
非精神病部分は連結を認める。
つまり愛情によって二つのものがつながりを持つことを認めているのである。
一方、精神病部分は羨望や破壊衝動によって、連結を攻撃し破壊する。
能動的にスプリットを進めていき、断片化作り出してしまう。
その結果、自己や対象が断片化する。