独立学派と米国の対象関係論 対象関係論を学ぶ第6回
独立学派と米国での対象関係論
イギリスでの
クライン以後の正統派の流れから
さらに、分派、その支流について話題となる。
独立学派といえば、ウィニコット
米国対象関係論といえば、オグデン
という話はいろいろなセミナーで取り上げられてきている。
今回松木先生の話では、
ウィニコット 以外の独立学派、さらに現在国際的な舞台で
活躍している独立学派の精神分析家についても言及された。
精神分析、とりわけ対象関係論がどのように
現代精神分析フィールドに発展してきているのかがよくわかる講義であった。
ウィニコット著作「子どもの治療面接」から
代表的な分析家として、
ウイニコット
シミントン
ケースメント
ボラス
オグデン
アイゲン
バラエティに
富んだ人材の経歴と治療論、その対象をめぐる論考について紹介をされ、
とても時間内に収まらない内容で、
最後は駆け足になってしまったことが少々残念であった。
松木先生は、
対象関係論というのは、クライン派+独立学派をいうといわれて、
いわゆる対人関係論(昨今は関係論といわれている)とは
大きな違いがあることを説明された。
対象関係論は、内的な世界と内的対象を考え、それと自己とのやりとりを考えていく、
内在化された母-乳幼児を基本として心を考えていくものだと説明されていた。
さらに、
クライン派と独立学派に共有されているところと、
あまり受け入れられていないところを整理して講義をされた。
死の本能を認める認めないというところから、
コメントされていた。
私もクラインの勉強をし始めていた頃はそんな風に思うこともあったが、
最近は少し違う印象を持っている。
ここまで徹底的に破壊性を取り上げることができること自体、
破壊を取扱ながらもよい内的対象を保持続ける力が人のこころには備わっている、
といったような、あまねく人という存在への信頼や楽観がなければ
考えられないことではないかとも。
つまり究極の性善説がベースにあるようにも感じるのである。