精神分析的心理療法 対象関係論 カウンセリング

あさ心理室でこころを学ぶ

心理臨床や精神分析についての学び

精神分析 Early Bion母親のもの想い


第4回 ビオンの精神分析 前期  その3 REVERIE

ビオンは乳児の原初的な心の動きとそれを受けとめる母親との関係をとりあげている。

 

乳児は

取り除きたい不快な感情を排出させる。

手足をばたつかせながら、

まるで今にも死んでしまうかのように、恐怖を外界にはき出す。

 

母親は

それを受け取り、

自らのもの想いによってそのおぞましいものを抱え吸収し

そして乳児に関わる。

 

例えば、

おなかが空いた。

この苦痛はこの世が終わるような激しい恐怖として感じられるわけで、

それをビオンは

nameless dread

と呼んでいる。

 

この苦痛をもの想いによって

抱えられやすい形にされ、乳児に再び取り入れられる。

ここに母親のもの想いというα機能が働いている。

 

こうした母子の相互作用を治療者患者関係へと当てはめてビオンは考えている。

 

個人的には、

このモデルからすると、母親は非常に万能的な容器である必要があるような印象を受けてしまう。

実際は、もの想いの能力は乳児によって育てられる活性化するという面もあるのではないかとも思ったりする。